革について
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鞣し
鞣しとは、皮を化学的、物理的操作により、種々の実用性能を持った「革」に不可逆的に変換することで、主な要件は①皮に耐熱性を与えること、②化学試薬や微生物に対する抵抗性を付与し、③皮に柔軟性を付与し、いわゆる「革らしさ」を与える事です。
これらの性質を付与するための物質を鞣剤と称し、広範な有機、無機、天然並びに合成の物質が含まれます。これらは実用的見地から無機系の鉱物鞣剤、有機系の植物タンニン鞣剤、アルデヒド鞣剤、合成鞣剤、油脂系鞣剤などに分ける事ができます。
上記の要件の内①と②を最も効率よく達成するのがクロム鞣剤と植物タンニンであるため、古くからこの2種の鞣し法がそれぞれ独自の製革技術体系を形成しています。③の要件は非常に幅広い領域を含むもので、これに対応して実に多種類の鞣剤が使用されています。
準備工程終了時の皮は、皮のタンパク質であるコラーゲン繊維以外の成分の大部分が除去され、純化された状態のものです。この状態の皮は、柔らかいが腐敗しやすく、乾燥すると硬化してしまいます。
鞣しの主たる効果は、皮を腐敗しにくくすると共に、乾燥状態で柔軟な多孔性材料に変え、
参考文献
- 総合皮革化学
- 発行者:日本皮革技術協会
- 基礎皮革化学
- 発行者:日本皮革技術協会